tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

統合か分裂か:地球市民

2016年06月24日 10時59分56秒 | 国際関係
統合か分裂か:地球市民
 イギリスではEU離脱か残留かの投票が進行中です。
 ヨーロッパ28か国を1つのグループにまとめるまでに「統合」の方向に動いてきた EUの中で、今、イタリア、オランダ、デンマークなどの国々で、EU離脱の動きが、国民の一部から出てきているようです。

 矢張り、地球市民全体を次第に統合の方向にもっていくという人類の動きは多くの困難を内包しているようです。

 イギリスのEU離脱賛否の論争では、移民流入による社会秩序への影響が直接のきっかけのようですが、それに加えて、EUの規制が細かすぎる、イギリスの自由や独自性が阻害されている、イギリスの独立を取り戻そうなど、移民流入という直接のきっかけが、次第に「統合」そのものに反対といった議論まで誘発しています。

 二度の大戦を経験し、ヨーロッパに戦争をなくそうという高い「志」で出発したEUです。もちろん、そのためには、加盟国それぞれが統合のための妥協をし、犠牲も払って、より良いヨーロッパを選ぶという努力が必要です。

 そうした努力の動きの中で、中東の内戦という思わざる事態が結果的に「分裂」の動きを生むというのは大変残念なことに思われます。
 
 新興国社会が成熟した安定社会になるまでには、多様な経験とプロセスが必要でしょう。時にそれが破壊的なものにまで行き過ぎる現実が地球市民の全体社会を混乱させているのです。

 先進成熟国社会も、これに適切に対応する術を持っていません。そうした内戦に、アメリカ、中国、ロシアといった「強い」国が動いても、基本的に国と国は対等です、解決は「力」に頼ることになりがちです。

 力でなく、対話や説得、地球市民の総意に基づく社会正義の立場で行動できるのは国連しかありません。
 主要国は自らの力に頼るのではなく、その力を国連という地球市民の代表組織の中でベクトルを合わせ、あるべき方向を模索するべきなのでしょう。

 そうした協力が実現すれば、国連安全保障理事会は立派に機能し、新興国の経済社会の安定にも寄与し、その成果として、今日のような巨大な難民の発生、ヨーロッパ社会の不安定の助長、EUの歴史的な努力にまで影響を及ぼすといった事態は、その発生を未然に防ぐことが出来るのではないかなどと考えてしまうところです。

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